【観劇】グランギニョル8/6(東京千秋楽)
観てきました。つらい。
初見だと、ストーリーを把握するのに必死になって、後半までほとんど何も覚えていないような状態だったけど、細かいところまで見られました。
ネタバレしかないけど、観たことない方むけの解説はない。
(解説をブログでわかり易く書ける方本当に尊敬する)
台詞は全部うろ覚え。
開演予定時刻少し過ぎ、作・演出・すべての元凶の神さま末満さまが登場。
直前にツイッターで発表のあった、演出の変更とシーンカットについて。
キキ役の田村芽実さん(以下めいみちゃん)が体調不良とのことで、怪我でなくて本当によかったというのが最初の気持ち。
公演中止も視野に入っていたというから、幕を開けてくれて本当にうれしかった。
観劇中も、殺陣のカットここだな、とは思ったけど、違和感は全くなかった。
最初の末満さまの説明はもちろんのこと、殺陣の変更に対応された繭期2人とヴァンパイアハンターの2人のスキルの高さによるものなんだろなあ。
めいみちゃんの殺陣は、カットはされど全く無いわけではないから不自然ではなかったし、ドロンジョ様的キキちゃん可愛かった。
いいもん見た。
終始すごい殺陣ばっかりだしどんだけ短縮したか覚えてないけど、3対2から2対2に変わったり、1対1の殺陣加えたりしてはいたと思う。
春林さんの\\ヴァンパイアハンターパーンチ!//アッパーカットは元は無かったよね?
当日の朝から仕込みはじめたってことだから、2~3時間で準備・変更したのかな。凄くないか。
いいもん見たわ。
キャストさんの魅力も、前回より見つけれて嬉しかったな。
これはまた別の記事に残そう。
フリーダさまとダリちゃんの愛 深すぎ
前回公演で、フリーダさまちゃんと愛しててダリちゃんつらいって書いたけど、
愛深まってた。
特別変わってないのかも、私が観劇後1週間グランギニョルのことを考えていったトドメにもう1回観劇したからかもしれないけど。
イニシアチブをとられて、人形のような表情と動作でダリちゃんにトドメを刺そうとするフリーダさま。防ぎこそすれ、フリーダさまを傷つけようとはしないダリちゃん、最後にトドメを刺されそうになるときも、剣をかざさずに、ただフリーダさまを見つめ、
「俺は、お前を」
と言いました。
その後、「すまない、でも君を死なせるわけにはいかないんだ!」
とゲルハルトさまがダリちゃんを助けます。
ダミアンの死により、イニシアチブの枷の外れたフリーダさま。
最初にラファエロ、次にウルのことを託し、最後に、
「ダリ、私も、愛してるわ」
と言って息を引き取った。
「私も」
って言ったんですよ。
戦いの心得なんてないフリーダさまは操られ、人形のように無表情で戦っていたのに、ダリちゃんの言葉はしっかりと届いているのです。
そしてその時のダリちゃんのつらそうなこと。
息を引き取ったフリーダさまを抱きしめる動作の柔らかいこと。
前回私にそこまで見られる余裕がなかったからかなー、
変わってないのかなー
でも冒頭のお屋敷で、フリーダさまに去り際に声をかけるとき、しっかりフリーダさまの方に体を向けていたし、ダリちゃんの声も前回見た時より柔らかい気がしたんだよなあ(逆にフリーダさまは前回より怖かった)、中盤もフリーダさまの壮大なノリツッコミにダリちゃん自身驚いててすっごく面白かったからそれとの落差もあるのかな
っていうかフリーダさまがいい女過ぎて惚れてしまうわあんなん
惚れない男がおかしいわ
ダリちゃんとフリーダさまの素晴らしさについて語りたい
あんな女性になれたらどんなにいいか
いやおこがましい…仕えたい…フリーダさまに仕えたい
ラファエロの乳母になって、ダリちゃんとフリーダさまがどれだけ素晴らしい夫婦だったかを伝承したい。ラファエロ坊ちゃんどんだけ愛されていたか伝えたい。
そうえいば前半で、出来損ないダミアンが血盟警察のイニシアチブをとった時は、
ひきつった顔で「やめてくれ、俺は…!」と言いながら操られていた。
出来損ないダミアンはイニシアチブの掌握の力が弱いのか?わざとか?
「残酷なだけで美しさがない」から出来損ないって言われていたけど。
希望とはなんだろう その2
Twitterで皆さんの感想を見て、ぐああああなるほど…!と思いTRUMPのシーンを観る。
死に怯えて、「君さえいなければ、TRUMPは俺を選んでくれるはず」と言って殺そうとするウル。でも最後、いざトドメ、というところでソフィを殺したい衝動を抑えこんでいる。ウルの意志が勝っている。
ヨハネス卿も、イニシアチブを抑え込んでマルコに立ち向かっていましたね。
序盤の明るいウルがどんどん怯えて狂っていく、血のつながった父親のイニシアチブの影響そりゃあ強いと思うけど、負けるな、というダリの意志が最後の最後に希望を残す。
ソフィがあのままウルに殺されていたならば、きっとTruthとReverseの輪廻はないし、クラウスはアレンが死んだからってウルを永遠の友にはしないだろうから、ウルはなんの意味もなく友達を殺した絶望の中で死んでいくことになる。
ソフィから「ウルに何かしたら 僕はお前を許さない」と言われたクラウスは、ソフィを殺そうとするウルに手出しはできないから、もしソフィをウルが殺していたら、アレンの子孫を失ったクラウスもまた絶望し、それは他の吸血種に伝播し…と絶望サイクル待ったなし。
負けるなというウルへのダリちゃんの意志が、
クラウスへの希望をあたえ、
ウルと過ごした日々は、ソフィにとっての希望の道しるべになっている。
(LILIUMにつながっちゃうから、吸血種全員にとっての希望では決してないけど)
「光と闇、表と裏のバランス」って言ってんだから、こんなに絶望ばっかりなんだから、最後には特大の希望をお願いします末満さま…
イニシアチブの性質とバルラハの仮説から考えられること
グランギニョルでは、イニシアチブの性質が色々明らかになっている。
- 複数のイニシアチブを掌握された場合、意志の強いイニシアチブが行使される
- 無理な命令には反応しない、最悪発狂
- 複数人から、重複して命令されると、命令の行使力は増幅する
- イニシアチブを掌握されても、強い意志の力によってイニシアチブに抗うことができることもある
- たいていは5~6人のイニシアチブを受けると発狂する
- ダミアン・ストーンは、人格の継承で、不老不死をなしている。
そのほかの情報として、
バルラハの仮説とか研究では、
- 不老不死の力は、トランプから与えられるものではなく、すべての吸血種が素質として持っている。開花しないだけ。それを開花させることができるのが、トランプのイニシアチブ。
- イニシアチブの重複は、命令の行使力を増幅させる。イニシアチブの掌握を重ねることで、トランプの力が無くても素質を開花させることができるのではないか。
- 繭期は、トランプとの繋がりが強い時期、トランプの影響を受けやすい。
- 能力を開花させた者たちは、繭期の状態を維持し続けなければ、開花した能力が消えてしまう。
これ、バルラハの仮説は妄想ではないんだよなたぶん。
現に、春林は、歌麿に咬まれることで、一時的にしても眠っている力を開放して、強い戦闘能力を得ている。
グランギニョル東京公演中日の末満さんのニコ生で、末満さんは「オズとサトクリフは兄弟」とおっしゃっていた。
サトクリフは自分以外の触れたものの死が見えるけど、96回イニシアチブによる能力増幅を受けたオズは、死だけではなく、自分も含めて触れた人の未来を見られる。能力があがる。
キキが得たのは高い戦闘能力だけど、元の繭期の症状は、見たものを無条件に時に過剰に愛してしまう(「愛してる ぶっ殺す!」)ところ。子孫たるマリーゴールドは…LILIUMを見てくれ。
話はちょっとそれるけど、繭期の症状は遺伝性のものであるといえる。
イニシアチブの掌握によってそなわる能力が、もともと個体の持つ素質の開花させたものならば、不完全ながらも不老不死の能力が出ているアンリは、そもそも不老不死の素質を持っているということになる。
もしかしてクラウスと血縁?
そして、繭期の特徴である
- 繭期は、トランプとの繋がりが強い時期で、トランプの影響を受けやすい
TRUMPにて語られた、
- アレンの死によって心が乱れたトランプ、それによって多くの吸血種が狂って自殺した
- トランプの心の平穏が、吸血種の平穏に繋がる
というところから、
- 繭期はトランプの影響を受けやすい は事実
- イニシアチブの重複で不老不死に近づく―トランプとのシンクロが高まっている―アンリは、特にトランプのイニシアチブの感受性が強い
という考え方ができないだろうか?
そう考えると、アンリは、トランプの心理状態を常に反映している状態で、いつも死にたがっているのはトランプであるとはいえないだろうか?
もしそうなら、一言も言葉を発さず、1分足らずのイメージカットでただ佇む彼は、観客に向かって、ずっと死にたい、死にたいと訴えていたのではないだろうか?
という考えにとらわれてしまって、別の可能性を考えられずにつらいつらいつらい誰ひとり幸せでない と辛さが増す。
アンリの言葉に注目して、すぐにでももう一回観たい…!
♪そーれーは 叶わぬ願い…
めいみちゃんの体調も良くなって、大阪公演も大成功しますように。