わたしモワたしも

山道を自転車で下りながら周りをキョロキョロ

【観劇】ファラオの墓①

演劇女子部ファラオの墓のDVD発売まであと一週間!

はぁー待った!よく待った自分!

DVD発売までに感想をまとめておきたいと思ったんだけど、もうこんな時期になってしまった。

きっとDVDで観なおしたら印象変わるだろうから、まとめておいて損もない。

ハロプロ関連はいつも1人で現場に行くから、感想を言い合えなくてさみしい思いをすることもあって、ついったや感想ブログをたくさん拝見するけれど、見てるうちに自分も語りたくなってしまうんだなあ。

雑なネタバレを多分に含む。

 

 

  •  2回は観たほうが楽しい

私が観劇したのは以下の通り。私が観劇したのは以下の通り。
①6/ 3(土)砂漠の月編(夜)

②6/ 7(水) 太陽の神殿編

③6/10(土)砂漠の月編(夜)


ファンクラブ枠で千秋楽含め6公演申し込み、当選は3公演。

できればもう一回、千秋楽近くで太陽の神殿編を観たかったなー。

原作を観ずにまず①観劇、原作読んで②→③だったので、
正直①はストーリー追っかけるので精いっぱいだったし、

なにより舞台に慣れてきて自由に動き始める子たちを観るのが楽しい。

例えばアンケスエンみずきとネルラはるながサリオキスを訪ねるシーン。

公演ごとに台詞を変えたりしていて、何度も観に来るお客さんも楽しめる数少ない場所だった。

 

私は工藤さん目当てに観に行っているから、どうしても工藤さんを観てしまうけれど、回数を重ねて役が染みついているな、と感じることができたし。

これが良いことなのかどうかは、賛否の分かれるところかな、とも思うけれど、

私は変化を感じて楽しめた。

 

でも、やっぱり今回はスケジュールきつすぎたんじゃないかなあ。

春ツアーが終わって、物凄いタイトなスケジュールで、しかもダブルキャストの舞台で、がっつり殺陣までやるもんだから、身体が追いつくので精いっぱいな印象。

演劇女子部での経験は、絶対にコンサートの表現力にすごくいい影響をもたらすって、演劇とコンサートどっちも行ったらファンはみんなわかると思う。

コンサートをやることが本業である彼女たちだから、コンサートを中心にスケジュール組むのももっともなんだけど、与えられたものを飲み込んで消化していくのには人それぞれ時間もいるしさ、ファンに見えるところだけでもいつも多忙で、多くを吸収しようと懸命なのがわかる彼女たちだから、役と向き合う地味で静かな時間の過ごし方というのも良いものだと思うんだなあ。

 

  • なんだあの演出は

役者さん個々に思うことはたくさんあるので、円盤発売までに別にまとめたい。

とりあえず見出しの通りに思うところがあって…というか最後にそれが来たもんだから全部持ってかれたというかなんというか、何あの幕切れ。

ラストは、原作同様サリオキスとスネフェルの対決なんですけど、
原作は神殿にサリスネ2人だけ。
舞台だと、死んだ(突然の割と重大なネタバレ)ちぇるナイルの霊と、二人の争いを止めたくて頑張るけど止められないアンケスエンみずきを加えた計4人が登場。
激しく戦ってまわりの見えないサリスネの激しい剣の応酬を身を挺して止め、怒りと悲しみで我を失っている男どもを、自身の死というビンタで醒まさせるアンケスエンみずき。

 

そしてアンケスエンが息を引き取り、

 

下手から現れたまーちゃんユタ「物語はここで終わる。」

 

 

 

 

エ゛ーーーーーーーーーー

 

 

いや待って待って終わっちゃうのここで終わっちゃうの!?
すっごい!ものすっごい熱量で2人戦ってたよね今!!
スローモーションを織り交ぜた殺陣の勢いはすごくて、春コンサート終わった直後のアイドルがこんな殺陣舞台でやる…?って軽く引いてしまうくらいの勢いで、何よりサリスネ2人の気迫がすごくて、物凄い熱量のあった舞台の流れを今!アンケスエン身を挺して止めた!
びっくりした何事だ!ナイルキアのように愛する人の剣で死にたいと!なるほどこの状況ならわからなくもない!アンケスエン妃めっちゃ頑張ってたのわかる、つらい、確かに辛い!
しかしその直後ストーリーの幕がまーちゃんユタによって唐突に下ろされたぞどういうことだ!!!?
サリオキスとスネフェルの怒りと悲しみの熱量はどこへおさまっていくんだ!!?!?
あと誰だ舞台美術の石像の目くりぬいてラストだけ後ろから照明当てて光らせたの!!!目からビーム状態で笑ってしまうだろうが!!!!目ビームだけのためにに灯体設置しおって!!!!

 

 

まーちゃんユタによれば、このあとスネフェルは自害、サリオキスは国を治めるけれども、こんだけ色々な人が苦しんでつかんだ平和は長くは続かないと。
争いの連鎖が続いてしまうと。それはわかる。


でもあまりにも幕の降り方が唐突で衝撃だった。
そこに驚いて動揺したままカーテンコールになってしまった。このお芝居の終わり方、演じてる人めっちゃつらいよ…サリオキスとスネフェル本当につらいよ…
爆発させた熱量をおさめていく物語の流れがないんだもん。

 

原作って文庫サイズで4巻もあるので、2時間のお芝居にまとめるにはやはり色々変える必要も出てくるし、いつだったか、それでもそれはそれとして成立させるのが原作の映画化や舞台化の醍醐味だってどこかで見てなるほどなあと思ったことがあったので、変わる部分が出てくることには抵抗はないつもりだった。

わたしは原作ファンではなかったし。

 

確かに世の中不条理なこともあるもんだけど、彼女たちの舞台で不条理な演出にしなくてもいいじゃんか・・・

 

  • ここがたまらない演劇女子部

モーニング娘。の舞台は、メンバーも各所でコメントしてたと思うけど、年々表現する物語の重みと壮大さが増してる。
それは、壮大なストーリーでも、薄っぺらく感じさせない熱量を持って舞台に立てる彼女たちだから、あえてそういうお話を選んで公演打っているのかも?しれない。

きっとお客さんの大半は演劇ファンではなく、ハロプロファンクラブに入るレベルの彼女たちのファンであり。
アイドルである彼女たちが舞台に立つ姿を観に来ていて、少し乱暴な話、ストーリーに多少の違和感を感じても彼女たちの魅力で、
まぁいいかな。
って思っちゃうんじゃないかなーと思う。


演劇ファンが劇団の芝居を見に行くのと、役者目当てでストーリーはその次で観に行くのとで、着眼点と評価って変わる。

 

私はLILIUMから演劇女子部ファンになりまして。

LILIUMのストーリーにはもちろん惹かれましたけど、どこに一番惹かれたかっていえば、10代~20代前半の女子の持つ、言葉にするには難しくてあいまい、しかし強烈で不思議な説得力を、役を通じでこれでもかと出してくれたところなんです。

しかも彼女たちは、普段アイドルとして活動していて、花の名をした舞台の彼女たちの裏に、その姿が色濃く滲んで、少女であること、永遠に生きることの魅力、”どんなに美しく咲く花もいずれ枯れる”ことの魅力がすごく出ていた。

少女たちの中で、少年を演じた工藤さんと中西さんがさらにそれを際立たせてた。

 

女子しかいない集団において、「男役ができる」というのは誰もが持つものではなく、
男役をやっても違和感のない見た目、身体の使い方、演技力を持つという点で既にそれは貴重なものです。

しかも、モーニング娘。には、見た目、身体の使い方、演技力 のパラメータはそれぞれ違うけど、男役として舞台に立てる力を持っている人たくさんいる。
女子の集団で、男役をできる人たちがこんなにいるって、なかなか無いこと。
身体の使い方が上手い人が多いからだろうなーと思います。
これは貴重だし、かっこよさも魅力のひとつとして挙げられる彼女たちのステージではきっと糧になる。

け れ ど

でもやっぱりそれでも最後は 女子 なんだよ!!

それがいいんだよ!!そうでしょ!?
捨てないでくれぇぇ女子を捨て去ろうとしないでくれぇええぇぇ
高い演技力はぜひ身に着けてほしいし、それを観られるのは嬉しい。武器になる。

けど、一番の根っこは女性アイドルなんだよ。役者でない。

女性としての人柄や個性の魅力を、いつものコンサートとは違った角度から見られる場所ならいいのに。と個人的には思う。男役できる人でも2年に一度は女の子役を…あゆみんさんの女の子役観たい…サクラ姫めっちゃ可愛かったやん…かえでぃーを男役に固定しないで…イザイかっこよかったけど固定しないでね…?

 

とは思いつつ、そうやって色んな役をやる中で、女優になりたいって新しい夢を持った工藤さんもいるわけですので、全否定なわけでもない。工藤さんの芝居がもっと観れるの嬉しい。

 

  • 要はまーちゃんユタ

この舞台は、物語と同じ時間軸で観客が物語を辿るのでなく、
学芸員まーちゃんユタに墓の中を案内されながら、博物館/遺跡でエジプトの戦の時代に生きる人のハイライトアーカイブ映像を観るような感覚、というのがしっくりくる。

 

最初と最後だけでなく、所々でユタのナレーションが入るし。

 

まーちゃんの演じた"ユタ"という侍女。

原作でも同じ名前で登場するけど、原作では本当に序盤で亡くなってしまう。
私は、"ユタ"という名前を聞いて、沖縄のシャーマンとしてのユタを連想した。

死してなお特別な力を持つユタ。
まーちゃんの持つ、独特な雰囲気や普段の物凄い攻撃力のパフォーマンスも説得力を持たせてくれていたかも。

エジプトのファラオの墓を訪れた我ら観客の前に現れ、壁画として描かれた歴史や人々の様子ひとつひとつをユタの案内のもと眺める…
そんな感覚なら、このお話の流れも飲み込めるなあ。

 

群像劇の要素が強いのかなあ。

エジプトの争いをたどる中で、ストーリーもあるんだけど、そこに生きる人の怒り、恋しさ、悲しみ…ストーリーよりも、それぞれの役者さんの感情の爆発の印象が強い。

他のキャストもとても魅力的だった。

ネルラ、マリタ、パビなどのように、物語の大きな流れとは少し違うベクトルを持っている人たちによって世界に深みが出ていて、観ていてとても楽しかった。

 

でもやっぱりスネフェルとサリオキスもうちょっとさあ!!!
2人に叫ばせてシーン切る演出嫌い。イザイの時もそうだったな。
ちょっとスネフェルそこで自害まで演じてみない?楽になれるかもよ?

あとやっぱり舞台美術の目光らせたの嫌。